空き家ビジネスで民泊は儲かる?活用法・補助金・注意点も解説

国内では空き家が増加し、活用方法に悩む所有者も少なくないことでしょう。
空き家ビジネスには、賃貸住宅や店舗、土地活用、民泊など複数の選択肢があります。
本記事では、空き家ビジネスとして民泊を活用する方法やメリット、費用、補助金、注意点について解説します。
目次
空き家ビジネスとは
空き家ビジネスとは、利用されていない住宅や建物を活用し、継続的な収入につなげる事業です。
ただし、空き家であれば必ず収益化できるわけではなく、立地や建物状態、地域の需要を確認し、適切な用途を選定する必要があります。
空き家ビジネスの仕組み
空き家は、賃貸住宅や宿泊施設、店舗、事務所、倉庫などへ転用できます。
主な収益源は家賃や宿泊料金、施設利用料、管理料などで、所有しながら継続収入を受け取れることが特徴です。
一方、初期費用や許認可、管理負担は用途によって異なるため、物件ありきではなく、地域需要から活用方法を検討する必要があります。
空き家を活用する重要性
空き家を放置すると換気や修繕の不足で腐食やカビ、雨漏りが進む場合があります。
また、固定資産税や保険料、庭木管理などの維持費も発生します。
老朽化が進めば改修費が増え、活用の選択肢が狭まるほか、倒壊や建材の飛散が周辺環境へ影響するおそれもあります。
資産価値や地域環境を守るためにも、早期に活用方針を検討しましょう。
空き家ビジネスの市場規模と将来性
総務省によると、2023年の国内空き家数は900万戸、空き家率は13.8%である一方、約9兆円という数値は2016年公表の潜在市場規模です。
※現在の民泊市場そのものの規模を示す数値ではありません。
市場性は、空き家数、地域需要、収益化できる物件数を分けて判断する必要があります。
2026年7月15日時点の民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出住宅数は42,070件です。
また、2025年の外国人延べ宿泊者数は約1億7,992万人泊でした。
観光庁の調査によると外国人延べ宿泊数は前年比9.4%増であり、宿泊需要の拡大が確認されています。
ただし、全国の宿泊需要と個別地域の民泊需要は異なるため、立地調査が必要です。
空き家ビジネスの主な活用方法

空き家の収益化には、賃貸住宅や店舗、土地活用、民泊などがあります。
| 活用方法 | 収入の安定性 | 初期費用 | 運営の手間 | 許認可の難易度 | 向いている立地 |
| 賃貸住宅 | 比較的高い | 中程度 | 比較的少ない | 比較的低い | 住宅需要がある地域 |
| 店舗・事業用 | 契約状況による | 中~高 | 中程度 | 用途により異なる | 商業需要がある地域 |
| 土地活用 | 用途による | 解体費が必要 | 比較的少ない | 用途により異なる | 駐車場・土地需要がある地域 |
| 民泊 | 稼働率で変動 | 中~高 | 多い | 比較的高い | 宿泊需要がある地域 |
賃貸住宅として貸す
戸建て賃貸やシェアハウス、定期借家として貸し出す方法があります。
入居者を確保できれば、毎月一定の家賃収入を受け取りやすく、民泊より清掃や利用者対応の負担も抑えられます。
ただし、賃貸需要が乏しい地域では、空室が長期化する場合もあるため、設備や耐震性に問題があれば、入居前に修繕が必要です。
店舗や事業用スペースとして貸す
カフェや事務所、レンタルスペース、倉庫などとして活用する方法です。
住宅需要が少なくても、事業者や地域住民から需要が見込める場合があります。
一方、広さや駐車場、交通量、視認性などを含めた商圏分析が必要です。
用途によっては、用途変更や消防設備の整備を求められる場合もあります。
建物を解体して土地を活用する
老朽化が著しい場合は駐車場や資材置き場、トランクルーム、貸地をはじめとした、建物を解体して土地を活用する方法もあります。
建物管理の負担を軽減できる一方、解体費用が発生します。
また、住宅用地の固定資産税に関する特例を受けられなくなる場合もあります。
そのため、解体費や税負担、周辺の土地需要まで含めた検討が必要です。
民泊として活用する
民泊は空き家を旅行者などへ短期間貸し出し、宿泊料金を受け取る方法です。
観光地や駅周辺、一棟貸し需要が見込める地域でも活用できますが、稼働率や宿泊料金で売上は変動します。
さらに、清掃やリネン交換、予約管理、問い合わせ対応なども発生するため、営業形態に応じて、旅館業法や民泊新法などの確認も必要です。
空き家を民泊にするメリット・デメリット

空き家民泊には、未利用の建物から収入を受け取れる反面、改修費や運営業務などの負担があります。
以下にて、空き家を民泊にするメリット・デメリットと適性について解説します。
空き家を民泊にするメリット
すでに空き家を所有している場合は、物件購入費を抑えて事業を始められます。
使用していなかった建物から宿泊収入を受け取り、維持費を補える可能性もあります。
また、定期的に清掃や点検を行うことで、長期間の放置による劣化を抑えやすくなります。
戸建てであれば、家族旅行やグループ旅行など複数人の需要にも対応しやすいでしょう。
さらに、宿泊料金を需要に合わせて調整できる点も、長期賃貸との違いです。
清掃や運営を外部委託すれば、遠方の空き家を活用できる場合もあります。
空き家を民泊にするデメリット
長期間使用していない空き家では、屋根や外壁、給排水設備などの改修が必要になる場合があります。
消防設備や避難経路などの整備により、想定以上の初期費用が発生する可能性もあります。
また、民泊新法では年間提供日数の上限が180日の制限があるため、稼働率は季節や曜日によって変動し、安定収入を保証するものではありません。
清掃や備品補充、宿泊者対応、近隣からの苦情対応なども発生します。
新たに物件を購入する場合は、取得費や借入返済も含めた収支計画が必要です。
外部委託費も考慮し、売上ではなく最終的な利益で判断することが求められます。
民泊に向いている空き家の条件
民泊への適性は、需要だけでなく下記のように建物状態や法規制、運営体制まで含めて判断します。
| 確認項目 | 主なチェックポイント |
| 需要 | 観光地、駅、空港、イベント会場、病院、工業地帯などへの需要があり、周辺宿泊施設にも一定の利用が見込まれる |
| 建物 | 想定収益に対して改修費が過大ではなく、複数人で利用できる広さや間取り、駐車場、庭、キッチンなどがある |
| 法規制 | 用途地域や自治体の条例を踏まえ、希望する営業方法を選択でき、消防・建築上の基準を満たせる |
| 運営体制 | 予約対応、清掃、リネン交換、備品管理、近隣対応などを継続して実施できる |
一棟貸しや駐車場、庭、キッチンなどは、差別化要素になる場合があります。
一方、所有権や相続登記などの権利関係に課題がある物件は、事業開始前の整理が必要です。
民泊への転用は、需要・建物・法規制・運営体制の4点を総合して判断することが適切です。
空き家民泊を始める前の確認事項

空き家民泊は、改修前に法規制、建物状態、収支、補助金を確認する必要があります。
こちらでは、空き家民泊を始める前の確認事項をご紹介します。
民泊に関する3つの営業制度
民泊に関する主な制度は、簡易宿所、特区民泊、民泊新法の3つです。
| 制度 | 手続き | 主な条件 |
| 簡易宿所 | 許可 | 原則として営業日数の上限なし |
| 特区民泊 | 認定 | 対象自治体で実施、原則2泊3日以上 |
| 民泊新法 | 届出 | 年間180日以内、住宅要件あり |
ただし、所在地や建物条件によって、利用できる制度は変わる点には注意が必要です。
物件と自治体の規制
民泊を始める前には、用途地域や接道、建物用途、耐震性などを確認します。
また、消防署へ相談し、消防設備や避難経路に必要な対応を把握することも必要です。
民泊の初期費用
初期費用には建物診断や改修、消防設備、家具・家電、寝具などがありますが、築年数や建物状態によって差が大きいため、一律の金額では判断できません。
さらに、Wi-Fiやスマートロック、保険、行政手続きなどの費用も想定されます。
開業後の清掃費や光熱費、管理費、予約サイト手数料まで含めて収支を確認します。
空き家活用で利用できる補助金
国や自治体では、空き家の改修や除却、耐震化などを支援している場合があります。
ただし、対象となる用途や申請者、工事内容は制度ごとに異なります。
民泊への転用が補助対象外となる制度もあるため、事前確認が必要です。
また、工事契約や着工前の申請を求められる場合があります。
自治体の空き家、観光、商工関係の窓口で条件を確認するとよいでしょう。
補助金を前提とせず、採択されない場合でも成立する収支計画を立てることが重要です。
空き家民泊を成功させるコツ

空き家民泊は、魅力的に改修するだけで予約や利益が安定するとは限りません。
以下にて、空き家民泊を成功させるための主なポイントについて解説します。
宿泊需要と競合の調査
観光だけでなく、出張や帰省、イベント、工事関係者など、周辺の宿泊需要を工事前に確認します。
また、予約サイトでは宿泊料金や定員、設備、口コミ、最低宿泊日数などを確認します。
繁忙期と閑散期の差も調査し、年間を通した需要の変動を把握することが必要です。
競合が少ない地域では供給不足なのか、需要自体が少ないのかを見極めたうえで、家族やグループなど想定宿泊者を定め、選ばれる理由を設計します。
手残りを基準にした収支計画
民泊の収益性は、宿泊売上だけではなく、経費を差し引いた利益で判断します。
宿泊売上 = 平均宿泊単価 × 稼働日数
売上からは予約サイト手数料や清掃費、運営代行費などが発生し、さらに光熱費や消耗品費、通信費、保険料、修繕費、税金も考慮が必要です。
収支計画では、低稼働、標準、高稼働の3パターンを作成すると判断しやすくなります。
また、改修費や家具購入費を含む初期投資を何年で回収できるかも確認します。
民泊新法では年間提供日数の上限は180日のため、同制度を利用する場合は180日以内で収支計画を組む必要があります。
自主管理と運営代行も、費用だけでなく必要時間や対応品質まで含めて比較します。
宿泊者に選ばれる施設設計
施設設計では、豪華さよりも想定宿泊者の不便を解消できる設備を優先します。
家族向けなら、キッチンや洗濯機、駐車場、子ども用品などが候補となり、グループ向けでは、寝具数や浴室、トイレ、共用スペースも確認しましょう。
長期滞在を想定する場合は、Wi-Fiやデスク、収納なども検討対象です。
古民家の意匠を残す場合でも、安全性や清潔感、空調、水回りを優先します。
また、交通手段や周辺施設を掲載し、滞在を具体的に想像できる情報を整えます。
料金だけで競争せず、一棟貸しや広さ、設備、地域性などで差別化することが有効です。
民泊運営と清掃の体制づくり
民泊では、開業後の運営や清掃の品質が宿泊者評価に影響する場合があります。
予約管理や料金調整、問い合わせ、チェックイン案内など、継続的な対応が必要となるだけではなく、清掃やリネン交換、備品補充、忘れ物対応、近隣対応なども発生します。
民泊新法でも、定期的な清掃や換気が求められており、特に髪の毛や水回り、寝具、臭いなどは宿泊者が確認しやすい部分です。
清掃品質を一定にするには、写真付きマニュアルやチェックリストが役立ちます。
遠方の空き家では、清掃だけでなく、設備トラブルへ現地対応できる体制も必要です。
自主管理が難しい場合は、予約管理から清掃まで対応する代行会社も選択肢となります。
委託先は費用だけでなく、対応範囲や連絡体制、清掃品質、緊急対応まで比較しましょう。
おわりに
本記事では、空き家ビジネスの活用方法や、民泊として運営する際のポイントについて解説しました。
空き家は、賃貸住宅や店舗、事業用スペース、土地、民泊などとして活用できます。
民泊は収益性を高められる可能性がある一方、すべての物件に適するとは限りません。
立地需要や建物状態、法規制、初期費用、運営体制を確認したうえで判断する必要があります。
特に遠方の空き家では、清掃や緊急対応を継続できる体制も欠かせません。
改修を始める前に、民泊として営業できるか、利益が残るかを専門事業者へ相談するとよいでしょう。
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民泊運営清掃代行
【民泊運営専門家】榊原 啓祐(さかきばら けいすけ)
ハウスクリーニングや壁紙再生事業でフランチャイズ本部事業等を立ち上げ、僅か5年で400店舗以上を出店。民泊事業には2015年8月に参入し、現在では民泊運営と共に、リゾート地での貸別荘もスタート。ハウスクリーニングの経験から、民泊清掃の第一人者でもあり、これからの民泊業界を牽引する若き経営者。
【民泊運営アドバイザー】田尻 夏樹(たじり なつき)
バチェラー3に出演。温泉ソムリエの資格を持ち、観光系インフルエンサーとしての経験から宿泊業、民泊業に参入。 地域の魅力やおすすめスポットを発見し、快適な滞在に関する情報の発信も。
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